アルゼンチンとブラジルの国境地帯の広大な密林に広がるイグアス国立公園。その面積は二二五六平方キロメートルで、東京都より広い。「イグアス」とは、先住民族の言葉グアラニー語で、「巨大な水」を意味しているように公園の最大の魅力は何といってもイグアスの滝。ナイアガラの滝、ヴィクトリアの滝と並ぶ世界三大深布のひとつとなっているこの滝は、全部で二七五の滝の集合体。滝全体の幅は二・七キロメートルにもおよび、最大
ツーリズムと開発が危ぶまれる世界最大の瀑布... の続きを読む
鉄道とバスを利用する方法で、これが一般的だ。列車はマチュピチュのふもとのアグアスカリエンテスへと向かう。所要時間は約四時間。海外の観光客は往復二〇〇ドル程度の列車に乗るが、一般住民は片道一〇ソル(約三二〇円)程度の列車を利用する。人間とおびただしい荷物が積み込まれ、家畜の鶏が車内を駆けるという昭和二〇年代の戦後間もない列車の様相を呈しているという。この鉄道はかつて国有だったが、数年前の民営化により
鉄道とバスを利用する方法が一般的... の続きを読む
歴代の天皇の中で、大正天皇(「八七九〜一九二六」ほどしばしば日光を訪れた天皇はいない。一八九六(明治二十九)年に初めて出掛けてから、一九二五(大正十四)年に最後の避暑のために滞在するまで、ほとんど毎年のように夏になると日光の御用邸に行っている。天皇を乗せた列車は、上野から東北本線で宇都宮にいったん出てから、向きを変えて日光線に入った。現在のJR日光駅の駅舎は、一九一二年に竣工したもので、JR東日本
東武日光線の開通... の続きを読む
一四世紀から五〇〇年の歳月をかけて造られ、一五本もの尖塔が天空を突き刺し、二二〇〇体もの彫刻で彩られた独特の、そして圧倒的な存在感を持つこのドゥーモは、世界遺産であったとしても誰も文句をいわないであろう。しかし、このドウーモは世界遺産ではない。ミラノにある世界遺産は、そのドゥーモから歩いて二〇分ほどのところにある「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ修道院」である。教会の名前でピンと来
名作が描かれている教会が世界遺産... の続きを読む
飛行機でアメリカやヨーロッパへ出かけたときによく起こる「時差ぼけ」にかかることはまずない。移動時間もお隣の韓国へは一泊二日、その日のうちに到着してしまう航路もあれば、なかには出港からわずか三時間で外国まで運んでくれる高速船も!中国になると二泊三日・およそ五〇時間の航海が一般的になってくるが、船内イベントが行われる航路も多く、退屈を紛らわすことができる。かえって移動時開か長いからこそ、徐々に近づいて
お隣の韓国へは一泊二日... の続きを読む
2人の子供たちが小学生の頃、初めて飛行機に乗って東京ディズニーランドへ家族旅行で行きました。主人の仕事が忙しく、無理やり取ったまとまった休暇で子供たちは大喜びでした。羽田に着いて空気が北海道と違うと言っては騒ぎ、ホテルに着いて感激し、念願のディズニーランドでは走り回っている子供たちはとても可愛かったです。下の息子はまだ小学校2年生だったのですが、トゥーンタウンのゲート前で「男の入る場所じゃない!」
家族旅行で初めてのディズニーランドへ!... の続きを読む
付き添ってきたクルーの誘導は実に優れていて、行きも帰りも、実にスムーズだった。船に戻る帰りのバスを待つときも、ホテルに席を取ってあり、そこでお茶を飲みながら待つようになっていた。高齢の方にも十分配慮がなされている。本当に甘やかせすぎと言いたくなるくらい、クルーは気配りができていた。外国船のオプショナルツアーでは、集合時間など聞き逃さないように必死に聞いているが、さすがに日本船はまかせておけばいいの
クルーの完璧なサービス... の続きを読む
黒部峡谷鉄道では会社自身が「トロッコ電車」と呼んでいる。一般に電車というのは編成の全部または一部にモーター付きの車両が組み込まれ、通常は機関車の力を借りずに運転されるものを指すが、ディーゼルだろうが機関車牽引の客車列車だろうが、世間一般では「電車」が最も通りがいいため、そのように呼ぶことにしたのだろう。黒部峡谷鉄道ではオレンジ色の小さな電気機関車がオープン車両や密閉式の車両を取り混ぜた何両もの客車
黒部峡谷鉄道の紹介... の続きを読む
城下町の鶴岡を過ぎると余目から最上川を渡り、酒田駅に到着する。ここで五一分もの長い停車時間があったが、途中下車するでもなく、ホームに少し出てみただけで、後は車内でぼおっとしていた。乗っていた人はおそらく全員が降りてしまい、残ったのは自分だけだったような気がする。それでも発車時刻が近づくと、また別のお客さんが乗ってきた。五一分停車の間にディーゼル急行「羽越」(秋田行き)が抜いて行ったはずだが、覚えて
「砂の器」の舞台「亀田」... の続きを読む
海外旅行が自由化されて以降、日本人の旅のスタイルの大きな流れは、「団体ツアーから個人へ」というものであった。今はインターネットの発達もあり、情報収集やホテルなどの予約も手軽にできるようになったため、若年層ばかりでなく、熟年層でも軽々と自由旅行をする人たちが増えている。私も、できるだけ団体行動に縛られたくないこと、団体ツアーでは、世界遺産をすべて網羅しないことなどから、これまでほとんど個人でプランを
「団体ツアー」か「個人旅行」か... の続きを読む
実感したのは翌朝だった。アレキサンドリア行きの便に乗るために、僕らは空港に向かった。早朝のことで、宿のフロントでタクシーを頼んだ。するとスタッフは、こう聞いてきたのだった。「第1ターミナル?それとも第2?」「……?」僕は前日、到着したシャルジャの空港を思い起こした。ターミナルはひとつで、第1も第2もなかった。悩む僕にスタッフは口を開いた。「ドバイの空港は第1ターミナルと第2ターミナルがあるんです。
またしても裏街道だった... の続きを読む
こんなことがあった。寒いスリナガルの空港だった。僕はそこからレーに向かう飛行機のチケットを買おうとしていた。しかし悪天候が続き、前々日から便は欠航していた。乗ることができなかった客がロビーにあふれている。空港の警備にあたる中年の兵士が近づいてきた。「今日は飛行機が飛ぶんですか」僕の方から訊いた。「飛びます。でも、前々日からの客で満席ですよ」「………」どうしたらいいのか、僕は悩んだ。明日出直そうか。
英語がわからないの?... の続きを読む
過去の実績で安全性の低い危険なエアラインを挙げることはできるが、将来にわたって絶対安全なエアラインを見きわめることはできない。昨日まで無事故が続いていても、一件の墜落事故で大勢の乗客を犠牲にすると、安全神話はその時点で崩壊する。シンガポール航空のように、創立から三三年間無事故であっても、二〇〇〇年の台北空港での不注意な事故(ジャンボ機が誤って閉鎖されていた滑走路に入り込み、離陸中に工事用車両と激突
アジアで危ないエアライン... の続きを読む
社員食堂「KUTULU」のように従業員の福利厚生が良いことで知られる「フォーシーズンズホテルアンドリゾート」だが、その充実度には確かに驚かされる。ちなみに同社では、従業員を「スタッフ」とは呼ばず「パートナー」と呼んでいる。パートナーたちは一定の期間就労すると、世界中どこでも自分の好きなフォーシーズンズホテルに無料で宿泊できる。宿泊日数は勤務年数によって変わるが、対象となるのはハウスキーパーからマネ
ゲストとしてサービスを体験する制度... の続きを読む
箱根湯河原の人気宿「石葉」は、ひとりだろうがグループだろうが、相当早くからの予約が必要で、どの道、土曜日の宿泊は困難を極める。だからかどうか、これはどの人気宿でありながら、グループ客もひとり客も平等に扱われる。東京からだと、JRの最寄り駅は湯河原だが、関西からなら熱海である。熱海は静岡県、湯河原は神奈川県にある。関東の人には自明のことなのかも知れないが、関西人にはこの辺りの地理がいまひとつ理解出来
関西人にはぴんと来ない伊豆・箱根の地理... の続きを読む
予約の際に最も大事なのは、料金の確認。とかく日本人はお金に関わる話題が苦手で、かく言う僕もそのひとりなのだが、ここを曖昧にすると後でもめる。ひとり客の料金は明示されないことも多く、最初にきちんと確認しておくのが肝要。日本旅館に限って言えば、ひとり客は割高になる事を覚悟しておいた方がいい。これも実は不思議なことなのだが、現実として、そうなのだから仕方が無い。ホテルは、定員より少ない人数で泊まれば、幾
日本旅館のひとり旅は割高を覚悟する... の続きを読む
昼めしの調達を無事に済ませ、再び改札口を通って駅構内に入る時には大切な注意事項がある。これを知らずにいると、危険な状況に陥るので絶対忘れないようにして頂きたい。それは何かというと、決して自動改札機を通ってはいけない、ということだ。今や大抵の駅は自動改札になっていて、人は何も考えず、習慣的に改札機に切符を入れてしまう。と、この場合どうなるか。切符は京都発のもので名古屋発のものでは無い。そのことに自動
自動改札機の悪夢... の続きを読む
私は、高校を卒業すると同時に実家を離れました。その後は、ゴールデンウィークやお盆、お正月には帰省するものの、学生時代には学校があり、社会人になってからは仕事があると言って、短期間の滞在ですぐ帰ってしまっていたので、これまで親孝行というものが全くできていなかったように感じます。長い人生のほんの18年間しか一緒に暮らせなかったのも、今では少し後悔もしています。ですので、両親が60歳を迎え定年退職した後
家族旅行で親孝行したいです... の続きを読む
母と海外旅行に行った時の話ですが、フランスのパリで、猛ダッシュする羽目になりました。ツアーの人たちと夕食をするレストランに行く為に、ホテルで19時集合の約束をしていました。朝から母とノートルダム大聖堂や、ルーブル美術館などを堪能し、まだ時間もあった為ルーブル美術館からホテルの方まで歩きながらショッピングを楽しんでしました。気がつくと、18時を回っており、自分達がどこにいるのか分からなくなっていたん
海外旅行先で猛ダッシュ!... の続きを読む
いったいこれから、何の催し物が始まるのだろう……。上海の駅前広場はそんな疑問にかられるほどの大群衆で埋め尽くされていた。それはもう、大晦日の明治神宮か、休日の東京ディズニーランドかというほどの、人、人、人なのである。この人たちが、これから全員汽車に乗るとは、にわかには信じがたい気もするが、皆さん乗客になるために行列していることは間違いない。今さらながら、中国の人口の多さと、鉄道への依存度の高さには
油断した私が悪い... の続きを読む
秘境駅がブームだという。飯田線の小和田や只見線の田子倉など、人家がなく、車では決して行けない駅にわざわざ降りるためだけのツアーが人気を呼んでいるそうだ。だが、鉄道というのは、集落と集落、町と町を線路でつなぐものである。本来ならば、駅には人が乗り降りし、駅前には生活の匂いが漂っていなければならない。たとえどんなに廃れていようが、そこに駅がつくられたのは、かつて人々が集まり、暮らしていたからだ。その痕
あずさ13号、小海線で羽黒下へ... の続きを読む
昔ならいざ知らず、いったんその味を覚えてしまうと、日本の都会の夏は、冷房なしには過ごせない。しかし、これも冷えすぎると困りものである。よく言われることだが、長距離列車の冷房は冷えすぎることが多い。もっとも、これには無理がらぬ理由もある。長距離列車には仕事で出張するビジネスマンが上衣にネクタイをして乗っているから、そういう人を標準にすれば別に冷えすぎでもないのだろう。そういえば車掌さんもキッチンとし
長距離列車の冷房に対する対処法... の続きを読む
「ぬる湯」「微温長時間湯」などともいわれる浴法で、温泉水の温度は三四〜三八℃でたっぷりと時間をかけて入浴する。温泉の醍醐味の一つである。ヨーロッパでは多くの温泉はこの温度である。不感温度といわれる体温とほぼ同温度の湯は、冷たくも熱くもなく、発汗も少なく、ゆったりとした気分で入浴ができる。生理機能に対して最も影響が少なく、脈拍、血圧の変動も少なく、安定した状態を保つことができるし、神経を鎮める働きが
持続湯とはなにか... の続きを読む
国内旅行でキャンプに行きました。山の中にあるキャンプ場に行ったのですが、車も持ち込めるようにオートサイトに泊まりました。オートサイトだったら荷物の持ち運びもラクですし、なんといってもここのオートサイトには専用のコンセントが付いていて、重いバーベキューセットや炭などを持って行かなくても、ホットプレートなどを持ち込んで鉄板料理を楽しんだり、焼き肉を楽しんだりと色んな調理ができて便利です。さらに灯光機を
国内旅行でキャンプに行きました... の続きを読む
定刻の18時41分を18分遅れて、18時59分(現地時間23時59分)、『ロシア号』は深夜のイルクーツク駅に滑り込む。ウラジオストックからここまで4106キロ。『シベリア鉄道』のほぼ中間地点である。ここで私は途中下車する。プラットホームに降り立てば、まだ9月中旬だというのに小雪が舞っている。女車掌ガーリヤからお別れのキスを受ける。ブランデーの香りのキスであった。イルクーツク何よりも汽車旅が好き……
私は世界一風呂好きな日本人... の続きを読む
グリーン車と言うと値段が高い、贅沢というイメージがある。例えば、新幹線「のぞみ」で、東京から新大阪まで行く場合、普通車の指定席なら一万四〇五〇円だが、グリーン車にすると一万八六九〇円もかかる。運賃を別にすれば、普通車五五四〇円に対し、グリーン車一万一八〇円と倍近くになってしまうから、庶民にとってはおいそれと利用できない料金である。それでも、例えば観光列車のグリーン車や、グリーン車のみのお座敷列車な
リゾート列車とSuicaで乗る普通列車のグリーン車... の続きを読む
列車は、汽笛を山峡に響かせながらゆっくりと川根温泉笹間渡を出発する。まもなく右にカーブしながら大井川を越える。長い鉄橋を渡って林の中を進み、視界が開けると両側は茶畑だ。大井川が車窓左手に見え隠れするので、通路を挟んだ反対側の席に移動する。窓にへばりついて車窓を眺めるのもいいが、車内が空いているときには、ちょっと離れて窓外を見るのもいい。窓側の席が空いているので、人が邪魔にならず、窓枠が絵の額縁のよ
絵の額縁にようになった窓枠から風景を楽しむ... の続きを読む
自動改札が一般的になったせいもあって、使用した切符を記念に持ち帰ることは、かなり難しくなっている。それでも、駅員に記念に持ち帰りたいと言えば、こころよく無効印や乗車記念印を押してくれる駅があるのは嬉しいことだ。私の経験では、北海道の稚内や根室、網走など北辺の駅や九州の枕崎、長崎で暖かく対応していただいたことかある。いずれにせよ、使用済みの切符を入手するのに苦労するのが国内鉄道旅行の常だが、その点、
切符、スタンプなどを整理する... の続きを読む
いつの間にか陽がさしてきて、それが正面から右の窓に移り、8時34分山川着。お世話になった指宿ゆきと別れ、ここで8時53分発の普通列車鹿児島中央ゆきに乗り移る。指宿ゆきと同種の国鉄型ディーゼルカーを四両も連ねた、列車らしい出で立ちの鹿児島中央ゆきは二駅舎に面したホームに既に横付けされていたが、まだ時間があるので改札を抜け駅前広場に出てみる。いかにも薩摩隼人といった面持ちの頑固そうな怒り顔(?)が逞し
乗車券を見せた駅員に驚かれる... の続きを読む
N700系「のぞみ」は、滑るように東京駅を後にした。車内は空席も目立つので、どうしたことかと思ったが、品川、新横浜でほぼ満席になった。乗り込むと同時に、テーブルをセ″卜してパソコンを広げる人、新聞を読む人、飲み物で喉を潤す人、と様々だ。列車は実にスムーズに加速して、あっという間にフルスピードでの疾走に移る。小気味いいくらいの走りっぷりだ。小田原までは、平坦な土地を走り抜ける。特筆すべき車窓の名所は
東海道新幹線の車窓から... の続きを読む