黒部峡谷鉄道では会社自身が「トロッコ電車」と呼んでいる。一般に電車というのは編成の全部または一部にモーター付きの車両が組み込まれ、通常は機関車の力を借りずに運転されるものを指すが、ディーゼルだろうが機関車牽引の客車列車だろうが、世間一般では「電車」が最も通りがいいため、そのように呼ぶことにしたのだろう。黒部峡谷鉄道ではオレンジ色の小さな電気機関車がオープン車両や密閉式の車両を取り混ぜた何両もの客車を牽いている。
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線路の幅は今では日本国内でも片手で数えるほどの貴重な存在となった七六二ミリの狭軌(かの熱海鉄道と同じ)。もちろん車両もミニサイズで、それがぎりぎり通れるトンネルなども通常の鉄道よりはるかに狭い。起点は富山地方鉄道本線の終点・宇奈月温泉駅に隣接した宇奈月駅。最初から大きなアーチ橋で黒部川を渡っていきなり峡谷風景となるが、谷側は黒部川の激流をはるか下に俯瞰し山側は首が痛くなるほど見上げてもてっぺんが見えないほどの絶壁が続く。トンネルも多い。